東京海上日動火災保険株式会社 東海・北陸業務支援部様からのご依頼で、事務局初となる社内研修としての「SDGs de 地方創生公認ファシリテーター養成講座」を開催いたしました。
ご参集いただいたのは、東京海上火災保険株式会社(以下、東京海上日動)の東海・北陸エリアの各拠点で活躍されている社員の⽅々総勢20名。
国連の持続可能な開発目標であるSDGsの文脈を想起させる「安心・安全でサステナブルな社会づくりに貢献し、全ての人や社会から信頼される”Good Company”となる(地方創生ブックレットより引用)」ことを目指して日々挑戦を続ける同社。
経営理念の実践そのものが地方創生につながると強い志をもって地域に寄り添った様々な取り組みを実装する中、「SDGs de 地方創生」が目指す世界観にも強く共感いただき、企業研修型養成講座の開催と相成りました。
参考:東京海上日動火災保険株式会社『地方創生ブックレット』
■東京海上日動火災保険株式会社のご紹介
東京海上日動では、「地方創生」の取り組みを推進し、自治体・金融機関との協定締結や保険事業を通じて蓄積したノウハウを活かし、様々な商品・サービスの提供を通じて地域の活性化に取り組んでいます。具体的な取り組みとして、インバウンド対応支援や企業の海外展開支援、健康経営支援やBCP策定支援等様々な地域社会の課題解決に資するコンテンツを開発するなど、200人を超える社員が推進役となり、日本各地で活動されています。
その中で、東京海上日動・東海・北陸ブロックでは、愛知県との地方創生SDGsに関する包括協定、名古屋市との連携と協力に関する包括協定に基づき、「(オリ・パラ)ホストタウンサミットin昇⿓道」を開催。
中部圏内のホストタウン登録自治体をはじめ、国、経済界、大使館等が集い、ホストタウンによる人的・経済的・文化的な相互交流の促進、インバウンドをはじめとした東京大会後のホストタウンを通したレガシー作りに関するビジョンを共有することを目的に、最終的に41の自治体、20の企業から計161名が参加しました。
このような企画をはじめ、愛知県を中心にSDGsと地方創生の推進に取り組む、地方創生支援担当 次長 堀井氏にお話しを伺いました。
■名古屋での取り組みについて
地⽅創⽣SDGsに関する包括協定を結んだ愛知県をはじめ、東海・北陸エリア全体でSDGsの関⼼が⾼まっています。
東京海上日動
東海・北陸業務支援部 部店支援室
地方創生支援 担当次長 堀井 雅彦氏
昨年末に閣議決定した国の「第2期・ひと・まち・しごと総合戦略」にも⽰されているように、国は、地方創生にSDGsの考え方を取り入れて推進しようとしています。みなさんも、新型コロナウイルスがわたしたちに与えた影響を身をもって感じたかと思いますが、「経済、環境、社会」は互いに影響を与えながらバランスをとっています。SDGsはこの「経済・環境・社会」は繋がっていることを教えてくれる指針なのです。
当社では、SDGsを社会貢献的に取り組む一方、達成に向け事業創造し社内外で繋がる機会を創出することを⽬指し取り組んでいます。自治体や商工団体から「SDGsをどう取り組めば良いか悩んでいる、何等かの連携ができないか」等の話をよくいただきます。このカードゲームの魅力は、楽しみながら学べること。本だけでは理解できないSDGsの本質を分かりやすく教えてくれます。
だから、社員の中でファシリテーターを育成することで地域貢献をしながら、知る・関心をもってもらう機会をまずはつくり、さらに事業連携に繋げていきたいと考えています。
名古屋東京海上⽇動ビルディングの⼀階のロビーは共有スペースとして開放されています。ここを拠点に名古屋でSDGsを発信していきたいですね。
■ 当日の様子 感染症対策を徹底して、緊張のスタート
【チェックイン】
参加者全員で、研修に向けての意気込みを語り、ビジョンを共有しました。
「SDGsというキーワードでつながりが広がった」
「就職活動でSDGsを知った。その後、体験会で理解が深まったので、お客様にも伝えたい」
「コロナ禍で無力感を覚えた。だからこそ、今後は人を巻き込んでお客様のお役に立ちたい」
「この人はこんなことを思っているんだ」
とそれぞれの想いを共有し、緊張がほぐれたところで講義が始まりました。
【まちの現状を話し合う】
「一括りにしてしまうと同じに思われる『名古屋』の町にも、山間部と都心部では特徴の違いがあり、その違いを認識してもらうためにもカードゲームは有効だ」
「コンパクトシティは、自分ひとりで完結して暮らせる便利な一方で、地域のつながりが弱く、なにかあった時は不安だと感じた」
など、まちの現状を捉えた上で、これから地域でどんな活動をすべきか?前向きな議論が交わされました。
【ゲーム運営のスキルを習得】
ゲーム運営について、カードの配布方法など具体的な演習を行い、参加者からは「難しい」「一人でできるか不安」という声があがりました。
演習が進むにつれ、「一人で開催することは不安だけれど、社内に先輩ファシリテーターや、一緒に受講した仲間がいるので心強い。」と、今後の熱い声もいただきました。
「対象者に合わせてどうゲームをカスタマイズするか」等具体的な質問も飛び出し、これから実装される対象を既に想定しながら真剣に場に臨んでいただきました。
■ SDGs de 地方創生ゲームの研修への導入について
今回の養成講座企画担当である東海・北陸業務支援部 部店支援室 課長代理 高木氏にもお話を伺いました。
東京海上日動
東海・北陸業務支援部 部店支援室
課長代理 高木 大輝氏
弊社の静岡⽀店の社員の紹介でSDGs de 地方創生カードゲームを知り、実際に体験して、SDGsについてゲームで楽しく学べることに魅力を感じられ、また社内の若手の人材育成ツールとして活用できることを知り、この企画に至りました。
養成講座冒頭の参加者のみなさんの想いを聞き、このカードゲームを自分のお客さまに対してどう提供するとメリットを与えられるのかをはじめ、提供の仕方などを模索しながら受講する姿に嬉しく思っています。
保険×地域課題解決、という文脈で、地域活性化や地域貢献という立ち位置を構築していきたいです。
保険の仕事をしていると目の前のことに一生懸命になり、『地域の役にたつ』という視点がついつい忘れがちになってしまうこともあります。このツールも活用しながら、この視点を思い出し、地域のために何ができるか?を構築していきたいです。
このSDGs de 地方創生ファシリテーターを取得することは、社内の人材育成でもありますが、なによりも、弊社の社員が地域の中で活躍するためのツールになると思っています。公認ファシリテーターとして地域で広く活躍できるように、(少し早く取得した)先輩ファシリテーターとしても場を企画したいです。
■事務局より
2019年1月から公認ファシリテーター養成講座を開始し、現在は550名を超えるファシリテーターが個人、企業、国、自治体、教育関係など様々な分野で存在しています。その中で、1組織で20名ものファシリテーターの養成は今回が初めてです。
SDGsは2016年から2030年までの目標です。まだ10年あるのか、あと10年しかないのか捉え方は様々ですが、東京海上日動様が、保険という商品をこれまで扱ってきた中で、地方創生が待ったなしだという危機意識の中とコロナ禍であっても様々な繋がりを持つ強みを活かそうと、広いセクターのお客様と一緒に活用していこうとされる本気度を感じました。
SDGsを推進しようと思っていても何をしたらいいのか分からない、という企業の声も多く聞きます。その中で、ゲームを使って地方創生とSDGsの繋がりやポイントを学べるのが、このSDGs de 地方創生です。
入口として、いろいろな方へ「自分事化」してもらうツールとして、ご活用いただければ嬉しく思います。
■ライターあとがき
社内研修として養成講座を導入したいというご依頼をいただき、東京海上日動様の企業成長・地域連携への意欲の高さを実感しています。
外に出られないからこそ、社内でできる(こんな風に変化・成長ができるんだ)ことがあるんだと実感しました。
顔の見える関係性である企業内での研修という機会をいただき、顔を見ての温度感、これから社内外にSDGsと地方創生を広めていく仲間同士の協力し合える関係性作り、という点で、オフラインでの研修機会の重要性を再認識させていただきました。
一般的に、組織内でこのような企画を立ち上げて実現まで繋げていくためには、企画提案、根回し、調整等多くの困難が伴うと言われます。今回、社内研修として養成講座が実現した背景には、組織としての明確なビジョンがあることはもちろん、堀井氏、高木氏の自分事化された強い想いが起点となっていたことが印象的です。
SDGs de 地方創生の公認ファシリテーター養成講座が、個人のスキルだけでなく社内で活きるスキルになることに喜びを感じ、今後も企業様とのパートナーシップを結んでいきたいと感じました。
※SDGs de 地方創生を組織内で研修として実施させていただくことが可能です。また、貴組織に出向かせていただき、組織内研修として公認ファシリテーター養成講座を行うことも可能です。お気軽にこちらよりお問い合わせくださいませ。