【歴史的建造物の利活用】 カードゲーム× 街のシンボル 福岡赤煉瓦での取り組み事例

【歴史的建造物の利活用】 カードゲーム× 街のシンボル 福岡赤煉瓦での取り組み事例

6月27日 福岡市赤煉瓦文化館で事務局主催のSDGs de 地方創生を開催しました。

赤煉瓦文化館は明治時代の我が国を代表する建築家・辰野金吾と片岡安の設計により、日本生命保険株式会社九州支店として明治42年(1909)に竣工。赤煉瓦と白い花崗岩の外壁は、19世紀末のイギリス様式で、ほかに尖塔やドームなど、小規模ながら変化に富んでいます。

平成2年(1990)まで市歴史資料館として使用された後、平成6年(1994)2月、有料の会議室等を備えた市民に開かれた施設「赤煉瓦文化館」としてオープン。今回の会場は、ここ赤煉瓦文化館をお借りしての開催です。

文化財の持つモダンな雰囲気の中でのカードゲーム体験会はいかに??

コロナウイルス感染予防を心掛け、健康チェック・体温計・アルコール消毒・マスク着用・ソーシャルディスタンス開催。

参加してくださったのは高校生、大学生、大人。そして職種も出身もばらばら。
ほぼ初対面の方で創る「赤煉瓦まち」は緊張の中始まりました。

緊張を感じた事務局。「さぁ、どうなる?」と構えていたのですが。心配いらず。
スタートの合図とともに軽やかな交渉が始まりました。
(参加されている方のあたたかい人柄と会場の持つモダンな雰囲気が影響しているのでしょうか)

「どうすれば暮らしがよくなるのかな。。」

と高校生がつぶやくと、周りの大人が「どうしたどうした?」と歩み寄り「地域通貨なのか、エコカー普及させるか」具体的な協議がはじまります。

対話が多ければ多い分、他のプレイヤーが何を求めているのか分かるので
助け合いが自然と行われ、協働プロジェクトもどんどん進みます。

500万でできる水BARのプロジェクト、3,000万でできるプロジェクト。
どんどん達成されるプロジェクトの金額も上がります。

ついに、
「3億のプロジェクトがしたい!」

という声があがりました。
すかさず
「それはまちにどんな効果がありますか?」

と、非難ではなく協働に向けた対話が始まります。

「暮らしやすいまちをつくる。」がいつしかみなさんの目標に。

「まち」の状況を示すマグネットがどんどん増えていきます。
「3億の次は市長選にしよう!!!」

各々目標を達成した後も時間ぎりぎりまでプロジェクトが遂行されます。

最後は7億のBIGプロジェクトを達成して、「赤煉瓦まち」終了。

 

▽ゲームを通し気づいたことを教えてください。

参加された方の感想は
・一般市民と行政がコミュニケーションをとることが大事だと気づけた。何に困っているのか、何が必要なのかを知っておくことが全体の最適化につながることを知れて非常にためになった。
リターンの大きいプロジェクトだけでなく、人口の増加や個人の目標を重視した動きを周りと協力することで達成できた。一人ではどうにもできないことも周りを巻き込んで一緒にすることで明るい未来を迎えることができるんだと気付いた。
・実際にゲームで「行動すれば達成できる」という経験を得ることができたので、現実世界に戻った時、このような大きなコミュニティーではないとしても自分の周りから変えていけばいいなと思いました。


▽今日からできそうなSDGs項目は?

・「8」の働きがいや経済成長は学生の私でも少しずつ力になれそうだと思いました。「若者」として、新しい働き方や新しいお金の使い道にチャレンジしていきたいです。

 

▽あなたはどんな2030年を迎えたいですか?そのためにはどうしたら良いでしょうか?

・自分の努力次第で何にでもなれて、どこでも行ける!そんな生まれた環境に左右されないような2030年を迎えたい。そのためにはひとりひとりが「関係ないや」と終わりにせずに少しでも自分にできることがないか考えることが大切だと思う。

・地域社会の一人ひとりが地域の資源(人・モノ・情報)に気づきその資源を最大限に発揮できる社会にしたい。そのために、よく傾聴し、より発信し、より良く共有する。

・自分の住むまちに誇りを持っていたい。そのために地域の人々との細かなコミュニケーションを怠らず、常にまちにめを向け良いところも悪いところも受け入れる。

今回は【歴史的建造物の利活用】として、福岡市の赤煉瓦文化館をお借りしました。

その土地の持つ魅力を活用することで地域の再発見をすることができ、更には気持ち良い対話の場になったのではないかと考えます。

ファシリテーターもリラックスして体験会の場を盛り上げることができました。

コロナウイルスを予防でマスクの着用をお願いしていましたが、マスクを着けていてもわかる笑顔。そして熱気。オフラインの醍醐味を感じました。皆様、ご参加いただきありがとうございました。

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ファシリテーター:issue+design 藤田 智絵
ファシリテーターサポート:久保山さん、眞山さん
photo by:釘丸 欣也さん