「SDGs de 地方創生」プロジェクトでは、500名近い公認ファシリテーターの方々が全国各地で活躍されています。
本職は様々で、現役市長から元市長、行政職員、学校教諭、経営者、企業管理職、NPO職員、一次産業従事者、まちづくり活動家、はたまた大学生、高校生といった形で老若男女、志を共にする仲間に活躍いただいている次第です。
去る、2020年7月9日。
渋谷某所で、ビフォーコロナ時代に「公認ファシリテーター養成講座」をご受講いただきながら、このコロナ禍でなかなか実戦の場が踏めず、仮免状態で月日が経過していた某企業所属の公認ファシリテーターの方より、「社員研修の一環と、自身の実践デビューの場としてぜひ体験会を実施したい!」と嬉しいお声がけをいただき、実装してきました。
実はコロナ禍の4月にも、「こうすれば集まれるのではないか?」「今の感染者数の推移なら内輪でなら集まれるのではないか?」など、最新の注意を払いながらもチャレンジを続けてくださった企業様で、その熱量をレシーブし、三密を防ぐ形で念願の開催と相成りました。
久しぶりのオフライン(リアル)の体験会なので、ゲームの説明にも力が入ります。
企業の中でも若手の方々にご参集いただいたので、ルールの飲み込みが早く、早々に交渉がスタート。普段の人間関係の良さを伺い知ることができました。
終始和やかに進んでいた体験会でしたが、全体を俯瞰してみると、実に顕著な動きが垣間見えました。
まず第一ターン。
「行政にはお金がある!」気づいた住民たちがこぞって行政に交渉に向かいます。住民同士はあまり交流がありません。
そして第二ターン。
ようやく住民同士、入り混じって様々な情報を収集したり、あらゆる交渉が生まれてきます。
そして第三ターン。
「ちょっと誰か”人口”あげてよー!」「”経済”落としたの誰?」「えー?!まち変化しないの?」みなさんホワイトボードのまちの変化にばかり目がいき、あまり交渉が進みません。
最後の第四ターン。
綺麗な中央集権化と、「(うーん。全員が同じ意見になるのはまずい。)」と傍観する住民のコントラストが如実に現れた次第です。
結果はというと。
当初イメージした「持続可能なまちの姿」とは、少々遠い未来が創出されたようです。
こうした結果になると俄然盛り上がるのが「振り返り」。声高に自分のプロジェクトの達成を周知していたプレイヤーから、黙々と目標に向かってひた走っていたプレイヤー。何をしていいか最後までわからなかったプレイヤーまで、いろいろな意見を交わしながら、自身の行動を振り返っていきます。
「いや、ホントなんていうか、すいません!」
行政チームが予算のコントロールや、自身のミッションに固執し後手になった対応を詫びる発表が相次ぎ会場は笑いに包まれながらも「優先順位が大事だね」「一見自分達に直接関係ないことでも、実行しないとダメだね」「もっと相手の目標とかよく聞いてあげればよかったね」などなど、いろいろな示唆が得られたようです。
無事現場を体験し、晴れて公認ファシリテーターとなった、今回の研修を企画いただいた御仁が言いました。
「いろんな意味で、うちの会社のいいところ、よくないところが全部出たように思う。今日の目的は純粋に楽しんでもらうこと。楽しむ中で、SDGsの考え方を身近に感じて欲しいし、この指針を会社のどういったところに掲げていくのか、一人ひとりが考えて欲しい。」
講師の立場からも、素敵な言葉だなぁと聞き惚れてしまいました。
最後はお決まりの記念撮影。少し距離を取りつつ、マスクを外したメンバーは呼吸を止めて、パチリ。
「SDGs de 地方創生」。こうした企業研修の場でも活用が増えています。ご興味ある方、ぜひお問い合わせくださいね!
(issue+design 小菅)